入居者の細かいクレーム、最初の返事の例文(7例)|自主管理の大家向け
入居者からは、「階段の電球が切れています」「網戸が閉まりにくいです」のような細かい連絡も届きます。そうした連絡への、最初の返事の例文です。例の物件は架空の「デモハイツ」です。枠の中の例文は、写してLINEでもショートメールでも使えます。
水が止まらない、鍵をなくした、といった至急の連絡への最初の一言は、「兼業大家の夜間・勤務中の入居者対応」にあります。
入居者の細かいクレームへの、最初の返事の例文(設備と共用部)
最初の返事には、次の3つを入れます。
- 受け付けたこと
- 次にすること(見に行く、写真をお願いする、など)
- いつ返事をするか(日にちで書く)
直すかどうかがまだ決まっていなくても、1と3は先に返せます。「確認します」だけで終えると、入居者はいつまで待てばよいか分かりません。日にちが書いてあれば、その日を目安に待てます。
例文の○の所は書き換えます。ショートメールで送るときは、最後に「デモハイツ 大家 ○○」のように名前を添えます。
例1 共用部の電球が切れたとき
階段の電球の件、お知らせありがとうございます。
○日までに替えに行きます。替えたら、またご連絡します。
暗い間は、足もとに気をつけてください。
替え終わったら、「階段の電球を替えました。」と一言送ります。その件が済んだことが、入居者にも分かります。
例2 部屋の設備の小さな不具合(網戸・換気扇・扉など)
網戸の件、承知しました。
様子が分かる写真を、1〜2枚送っていただけますか。
見に伺う日を決めたいので、ご都合のよい日と時間帯も教えてください。
○日までに、伺う日をお返事します。
写真があると、見に行く前に、業者に頼むか、大家さんが自分で直せるかの見当がつきます。部屋に入る日は、入居者の都合を聞いてから決めます。
例3 入居者が自分でも直せる項目のとき(電球・パッキンなど)
お部屋の電球が切れたとのこと、分かりました。
電球の取り替えは、契約書の別表で、ご自分でもできる修繕になっています。ご自分で替えるときは、電球のご用意をお願いします。
こちらで替えることもできます。お知らせいただければ、○日までに伺います。
例3は、手元の契約書の別表や特約に、その項目が載っているときに使います。特約に載っているときは、「契約書の別表で」を「契約書の特約で」に書き換えます。載っていなければ、例2の形で返します。
例4 前と同じ内容の連絡が続くとき
換気扇の音が、まだ続いているのですね。直りきらず、ご不便をおかけしています。
○月○日に伺ったときは、羽根の汚れを取りました。
次は、業者と一緒に伺って見てもらいます。○日の午前は、ご都合いかがでしょうか。
前にしたことを日にちと一緒に書くと、話を最初からやり直さずに済みます。「前にもお伝えしましたが」のような書き出しは使いません。
入居者からのクレーム対応の例文(ゴミ・生活音と、返事が遅れたとき)
ゴミや生活音のように、ほかの入居者が関わるご相談では、知らせてくれた方の名前や部屋番号を、全員あてのお知らせに書きません。そのことを、最初の返事でも伝えておきます。
例5 ゴミ置き場の使い方についてのご相談
ゴミ置き場のこと、教えてくださって助かりました。
○日に、入居者の皆さんへゴミ出しのお願いを出します。お名前や部屋番号は書きませんので、ご安心ください。
その後も続くようなら、またお知らせください。
全員あてのお願いの文は、「入居者へのお知らせ文例」の例9(ゴミ出しのお願い)にあります。
例6 生活音についてのご相談
音のことでお困りなのですね。
聞こえる時間帯と、どんな音か(足音、話し声、洗濯機など)を、分かる範囲で教えてください。
○日に、入居者の皆さんへ、生活音についてのお願いを出します。どなたからのご相談かは、分からないように書きます。
音は、隣ではなく、上や下の部屋から伝わっていることもあります。返事の中では、どの部屋の音かを決めつけません。入居者どうしで話すとこじれることもあるので、「音のことで、ほかのお部屋へ直接言いに行くのは、控えていただけると助かります。」と添えることもできます。全員あてのお願いの文は、「入居者へのお知らせ文例」の例10にあります。
入居者の皆さんへ出す生活音のお願いの文は、「アパートの騒音注意文の例文」にあります。
例7 返事が遅れたときのおわび
お返事が遅くなり、申し訳ありません。
○日にご連絡いただいた、クローゼットの扉の件です。
○日の○時ごろに見に伺いたいのですが、ご都合はいかがでしょうか。合わないときは、ほかの日を教えてください。
遅れた理由を長く書くより、何の件かと、次にすることを先に書きます。
直すかどうかを決める目安
部屋や設備を使うのに必要な修繕は、入居者の責任で壊れた場合を除いて、大家さんの義務です(民法606条1項)。入居者の側には、修繕が必要なことを、遅れずに大家さんへ知らせる務めがあります(615条)。設備の細かい連絡が届くのは、入居者がこの務めを果たしているからとも言えます。
国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」(平成30年3月版)は、費用の少ない修繕を、別表第4に挙げています。ヒューズ、蛇口のパッキンとコマ、風呂場のゴム栓と鎖、電球と蛍光灯の取り替えなどです。入居者は、これらを大家さんに頼むことも、自分の費用で直すこともできます。自分で直すときは、大家さんへの通知や承諾は要りません(9条5項)。その費用を、入居者が後から大家さんに請求することはできない、というのが同じ契約書の解説コメントの考え方です。
別表第4の項目は、契約を結ぶときに、大家さんと入居者の合意で変えたり、足したり、消したりできます(標準契約書の「作成にあたっての注意点」と解説コメント)。電球などが別表に載っているかは、手元の契約書の別表と特約で確かめます。標準契約書では、別表第4に載っていても、入居者に頼まれて大家さんが直すときの費用は、大家さんの負担です(9条1項)。
直さないときや、費用を入居者に持ってもらうとき(入居者の責任で壊れたときなど)は、理由と、契約書のどこに書いてあるかを添えて返します。必要な修繕を、大家さんが知らせを受けてから相当の期間がたってもしないときは、入居者が自分で修繕できます(民法607条の2)。入居者が先に払った費用が大家さんの負担すべきものなら、入居者はすぐにその分を大家さんに求められます(608条1項)。
同じ方から続けて連絡が届くとき
同じ連絡が続くときは、前の修繕で直りきっていないか、入居者に次の見通しが伝わっていないことがあります。連絡ごとに日時と中身を記録しておけば、例4のように、前にしたことを書いて返せます。残す項目は、「兼業大家の夜間・勤務中の入居者対応」の「記録を残す」にあります。
返事をする時間も決めておきます。たとえば「夜○時までに届いた連絡はその日のうちに、それより後は翌朝に返す」のように決め、入居のときに伝えておきます。
電話で受けた話は、要点をLINEやショートメールで入居者に送っておきます。標準契約書の9条3項の解説コメントは、もめごとを防ぐため、修繕が必要だという知らせは、書面か電子メールなどで行うのが望ましいとしています。
管理会社から引き継いだ物件なら、前の管理会社が受けた連絡と、その対応の記録も確かめます。記録の受け取り方は、「管理委託契約の解約通知書の例文」にあります。
先に答えを渡して、連絡そのものを減らす
ゴミの日、駐輪場の使い方、困ったときの連絡先のように、答えが決まっていることは、入居のときに紙で渡しておきます。「入居のしおりのテンプレート」で、物件名や連絡先を入れて印刷できます。決めた返事の時間は、しおりのメモの欄に書いておけます。
同じ質問が2人以上から届いたら、全員あてのお知らせで答えます。文例は「入居者へのお知らせ文例」にあります。
急ぎでない連絡に受付番号を返す(住まい番の例)
書き手が運営している住まい番では、入居者がLINEで送った急ぎでない連絡に、【住まい番AI】を頭に付けてお返事します。大家さんの対応が要る連絡には、その下に「受付番号○で承りました。大家さんには明日の朝までにお伝えします。」の行が付きます。ゴミの日のように答えが決まっている質問は、管理画面の「設定」タブの「よくある質問」に登録した答えで返します。

参考にした資料
リンク先は2026年10月8日に確かめました。
書き手
住まい番 運営者
入居者のLINEの連絡にAIが一次対応するサービス「住まい番」を、個人で運営しています。自主管理の大家さんが、夜中や仕事中の連絡に一人で追われずに済むように作りました。