賃貸の更新案内の例文(6例)|自主管理の大家が送る時期と書くこと

・ 書き手: 住まい番 運営者

契約の満了が近づいた入居者へ、自主管理の大家さんが送る更新の案内の例文です。管理会社に任せていた更新の連絡を、自分で出すことになったときにも使えます。例文に出てくるデモハイツは架空の物件で、○の所は手元の契約書に合わせて書き換えます。

例1〜例3と例6は、紙で渡す形です。LINEで送るときは、日付と宛名の行を省きます。

賃貸の更新案内の例文(更新料がないとき・あるとき)

最初の案内には、次の4つを入れます。

  1. 今の契約が満了する日
  2. 更新するときの条件(今と同じか、更新料があるか)
  3. 更新するか、退去するかの返事をもらう期日
  4. 大家さんの連絡先

返事の期日は、退去を選んだ入居者が、契約書で決まった解約の予告に間に合う日にします。予告の日数は、契約書の解約の条項で確かめます。

例1 契約更新のお知らせのテンプレート(更新料がなく、同じ条件で更新するとき)

○年○月○日
○号室 ○○様
賃貸借契約の更新のご案内

いつもデモハイツにお住まいいただき、ありがとうございます。
今のお部屋の契約は、○年○月○日に満了します。引き続きお住まいになる場合は、今と同じ条件で契約を更新します。家賃と共益費は変わりません。
更新されるか、満了の日に退去されるかを、○月○日までにお知らせください。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

「家賃と共益費は変わりません」と書いておくと、入居者は条件が変わるのかを問い合わせずに済みます。

例2 更新料の定めがあるとき

○年○月○日
○号室 ○○様
賃貸借契約の更新のご案内

今のお部屋の契約は、○年○月○日に満了します。
更新される場合は、契約書の第○条のとおり、更新料○○円を、○月○日までに家賃と同じ振込先へお支払いください。家賃と共益費は今と同じです。
更新されるか、満了の日に退去されるかを、○月○日までにお知らせください。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

更新料の額と払う期日は、契約書に書いてあるとおりに写します。国の「賃貸住宅標準契約書」(平成30年3月版)には更新料の条がありません。手元の契約書の条項と特約に更新料の決まりがなければ、例1の形で送ります。

例3 更新の書類を送るとき

○年○月○日
○号室 ○○様
契約更新の書類について

契約を更新されるとのお返事、ありがとうございます。
大家の署名を済ませた更新の合意書を、2通お送りします。内容をご確認のうえ、2通ともご署名いただき、1通を○月○日までに、同封の封筒でお返しください。もう1通は、お手元で保管してください。
(更新料があるとき)更新料○○円のお支払いも、○月○日までにお願いします。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

合意書には、元の契約を結んだ日、新しい契約期間(始まる日と終わる日)、ほかの条件は元の契約のとおりであることを書きます。返送の封筒には、切手を貼っておきます。

例4 返事がないときの2回目の案内

○月○日にお送りした、契約の更新のご案内の件です。
お部屋の契約は、○月○日に満了します。更新されるか、退去されるかを、○月○日までにお知らせいただけますか。
分からない点があれば、このLINEか、お電話(○○)でお尋ねください。

1回目の案内が届いていないこともあるので、1回目を送った日と満了日を書き直して送ります。返事を急かす言い方より、問い合わせ先を添えるほうが、返事をもらいやすくなります。

更新が済んだら送る知らせ(例5・例6)

例5 更新の手続きが済んだことの知らせ

更新の合意書を受け取りました。ありがとうございます。
新しい契約期間は、○年○月○日から○年○月○日までです。
引き続き、よろしくお願いします。

例6 連帯保証人へ、更新したことの知らせ

○年○月○日
○○様(デモハイツ○号室 ○○様の連帯保証人)
賃貸借契約の更新のお知らせ

デモハイツ○号室の○○様との賃貸借契約を、○年○月○日に更新しました。新しい契約期間は、○年○月○日から○年○月○日までです。家賃などの条件は、更新の前と変わりません。
お尋ねがあれば、下の連絡先までご連絡ください。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

標準契約書では、契約が更新されても、連帯保証人の保証は続きます(17条1項)。同じ契約書の解説コメントは、もめごとを防ぐため、更新したときは貸主が連帯保証人に知らせるよう努めるのが望ましい、としています。

更新が済んだら、手元の入居者の一覧の契約満了日を、新しい日に直します。合意書は、元の契約書と一緒に保管します。

更新の案内を書く前に、契約書で見る所

  • 契約期間と満了日。標準契約書では、頭書(2)の「契約期間」の欄です。
  • 更新料の決まりがあるか。あれば、額と払う期日。
  • 入居者からの解約は、何日前までに申し出る決まりか。標準契約書と同じ決まりなら、30日前です(11条1項)。
  • 連帯保証人の名前と連絡先(例6を送る相手)。
  • 家賃保証会社の保証や、入居のときに入ってもらった保険にも期間があるか。あれば、その更新のことも案内に一言添えます。

契約書に「定期建物賃貸借」「契約の更新がない」とあれば、定期借家契約です。書面で契約し、更新がないことを前もって書面で説明したときに限って結べる契約で、期間が満了しても更新されません(借地借家法38条1項・3項)。期間が1年以上なら、大家さんは満了の1年前から6か月前までに、期間の満了で契約が終わることを入居者に知らせます。知らせが遅れたときは、知らせた日から6か月たつまで、契約が終わったことを入居者に主張できません(38条6項)。定期借家契約には、更新の案内の例文は使えません。

賃貸の更新通知は、いつ送るか

更新の案内をいつ送るかは、借地借家法にも国の標準契約書にも、決まりがありません。借地借家法26条1項にある「満了の1年前から6か月前まで」は、更新しないことなどを伝える通知の期間で、更新の案内を送る時期のことではありません。

時期は、入居者が更新か退去かを決め、解約の予告に間に合うように返事ができるかで考えます。たとえば予告が30日前なら、返事の期日を満了の30日前より前に置き、入居者が考える日数をとれるよう、案内はそれよりさらに前に届けます。退去を選ぶ入居者には、引っ越し先を探す時間も要ります。

管理会社から引き継いだ物件なら、先に入居者ごとの契約満了日を書き出しておくと、案内の出し忘れを防げます。管理会社から受け取る書類は、「管理委託契約の解約通知書の例文」に挙げています。

更新の案内を出し忘れたとき

案内を出し忘れても、満了の日に契約が自動で終わるわけではありません。国の標準契約書も、契約は期間の満了で必ず終わるものではなく、大家さんと入居者の合意で更新できる、という考え方で書かれています(2条2項と解説コメント)。

期間の定めがある契約では、大家さんも入居者も、満了の1年前から6か月前までに「更新しない」などの通知をしなかったときは、前の契約と同じ条件で更新したものとみなされます。ただし、その後の契約は、期間の定めがないものになります(借地借家法26条1項)。満了の日より前に出し忘れに気付いたら、すぐに例1か例2を送ります。満了の日を過ぎてから気付き、更新料などの扱いに迷うときは、法律の専門家に相談します。

入居者から返事が来たら

更新するという返事なら、例3で書類を送ります。退去するという返事なら、退去の日と立ち会いの日を決めます。立ち会いの段取りと案内の例文は、「退去立会いのチェックシート(テンプレート)」にあります。

返事を電話で受けたときは、「○月○日のお電話で、更新されると伺いました。」のように、受けた日と中身を一言送っておきます。後になって、言った言わないの食い違いになりません。

満了が近い入居者に、1人ずつ案内を送る(住まい番の例)

書き手が運営している住まい番では、入居者のページに契約満了日を入れておくと、満了まで60日を切った入居者が、管理画面の「今日」に「契約満了が60日以内」として、部屋・名前・満了日つきで並びます。更新の案内は、「お知らせ」タブで入居者を1人選んで送れ、入居者のLINEには頭に【大家】が付いて届きます。

住まい番の管理画面の「今日」に、デモハイツの入居者1人が「契約満了が60日以内」として、部屋と名前と満了日つきで並んでいる画面
満了まで60日を切った入居者が「今日」に並んだところ(架空のデモハイツ)

送った更新の案内は、入居者ごとに日付つきで残ります

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参考にした資料

リンク先は2026年10月24日に確かめました。

  • e-Gov 法令検索「借地借家法」26条、38条
  • 国土交通省「賃貸住宅標準契約書」平成30年3月版・連帯保証人型 頭書、2条、11条、17条、解説コメント(2条・17条関係)

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