アパートの騒音注意文の例文(7例)|全員あて・個別あての出し方

・ 書き手: 住まい番 運営者

入居者から「夜、話し声や音楽が響いて眠れない」と相談を受けたときに、アパートの大家さんが出す注意文の例文です。分譲マンションの管理組合が出すお知らせは扱いません。例の物件は架空の「デモハイツ」です。例1〜例4は掲示の形です。LINEで送るときは、日付と「入居者各位」の行を省きます。

相談した方へ最初に返す一言は、「入居者の細かいクレーム、最初の返事の例文」の例6にあります。

騒音の注意文の例文(全員あて・4例)

注意文は、まず入居者全員あてに出します。全員あてなら、音を出している部屋を決めつけずに済み、誰が相談したのかも分かりにくくなります。大阪府の「くらしの騒音ハンドブック」にある調査(2023年、府内の管理会社31社)でも、生活騒音への対処で最も多かったのは「張り紙で住民に注意を呼びかける」でした(93.5%)。

どんな音が、いつごろ聞こえるかを、具体的に書きます。音を出している側は、自分のことだと気付かないことがあるからです(同じハンドブック)。○の所は書き換えます。

部屋の中の足音や、洗濯機・掃除機の音のお願いは、「入居者へのお知らせ文例」の例10にあります。

例1 騒音についてのお知らせ(入居者各位あて・夜の話し声と音楽)

○年○月○日
入居者各位
夜の話し声と音楽についてのお知らせ

夜○時ごろから、話し声や音楽が聞こえるというご相談がありました。窓が開いていると、声や音は外やほかのお部屋まで届きます。
夜○時を過ぎたら、窓を閉めてお話しください。ベランダでの電話も、控えていただけると助かります。音楽や動画は、ヘッドホンを使うか、音を小さめにしてください。
ほかに困っている音があれば、大家までお知らせください。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

「窓を開けたまま話さない」「夜間はヘッドホン・イヤホンを使う」は、環境省の「生活騒音パンフレット」にある気くばりです。

例2 ドアの開け閉めと、廊下・階段の足音についてのお願い

○年○月○日
入居者各位
ドアの開け閉めと、廊下・階段の音についてのお願い

夜遅くや朝早くに、玄関のドアが閉まる音や、外階段・廊下の足音が響く、というご相談がありました。
ドアは、閉まる前に手を添えて、静かに閉めてください。出入りするときは、階段や廊下での足音と話し声にも、気をつけていただけると助かります。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

「乱暴に開け閉めしない」「歩き方に注意する」も、同じパンフレットの気くばりです。

例3 楽器を弾く時間帯のお願い

○年○月○日
入居者各位
楽器の演奏についてのお願い

ピアノなどの楽器の音について、ご相談がありました。楽器の音は、窓を閉めていても、ほかのお部屋に届くことがあります。
契約書では、楽器の演奏は○時から○時までとしています。それ以外の時間は、演奏を控えてください。決まりの時間の中でも、窓は閉めていただけると助かります。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

「契約書では、…」の文は、契約書や特約に楽器の決まりがあるときだけ書きます。決まりがなければ、「夜○時から朝○時までは、演奏を控えていただけると助かります。」のように、お願いの形にします。

例4 再度のお知らせ(前のお知らせの後も、ご相談が続くとき)

○年○月○日
入居者各位
生活音について(再度のお願い)

○月○日に、夜の○○の音についてお知らせしました。その後も、同じ時間帯の音について、ご相談が続いています。
歩く音や洗濯機の音のような低い音は、出しているお部屋では気になりにくく、下の階では響いていることがあります。お心当たりがない方も、夜の過ごし方を一度見直していただけると助かります。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

再度のお知らせも、全員あてで出します。例4の「お心当たりがない方も」の一文は、注意文が配られたら、思い当たることがなくても暮らし方を振り返るとよい、というハンドブックの助言によります。

注意文を出すときに、大家さんが確かめること

相談した方から、音の様子を聞く

注意文に書く音の種類と時間帯は、相談した方から聞きます。続けて記録をつけてもらうなら、ハンドブックの資料編にある項目(音がする時間帯、頻度、音の種類、場所など)が目安になります。記録をつけるうちに、かえって音が気になることもあるので、無理のない範囲でお願いします。

音の出どころを決めつけない

ハンドブックによると、上の階の足音のように建物の骨組みを伝わる音は、真上からと思っても、斜め上や横、下の階の音のこともあります。相談を受けたら、まず話を受け止めます。ただ、相談した方が部屋を挙げていても、一緒になって決めつけることはしません。そのうえで、大家さんが何をするか(全員あてのお知らせを出す、など)を伝えます。

契約書の決まりを確かめる

国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」(平成30年3月版)は、入居者がしてはいけないことの一つに、「大音量でテレビ、ステレオ等の操作、ピアノ等の演奏を行うこと」を挙げています(8条3項と別表第1の四号)。この決まりは、契約を結ぶときに、物件ごとの事情に合わせて変えられます(作成にあたっての注意点)。手元の契約書と特約で、音や楽器の決まりと、その条の番号を確かめておきます。

アパートの騒音注意文を、部屋を絞って出すとき(個別あて・2例)

全員あてのお知らせを出しても同じ時間帯の相談が続くときは、音が聞こえる場所に近い部屋に、個別あての手紙を出します。そのときも、決めつける書き方はしません。

例5 個別あての1通目(お心当たりを尋ねる)

○年○月○日
○号室 ○○様
夜の音についてのお願い

入居者の方から、○月○日から、夜○時ごろに○○の音が聞こえる、というご相談がありました。
音は、どのお部屋から出ているのか分かりにくいため、聞こえる場所に近いお部屋の方にお尋ねしています。お心当たりがあれば、その時間帯は少し気をつけていただけると助かります。
思い当たることがないときや、ご自分のお部屋でも気になる音があるときは、大家までお知らせください。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

最後の文で、受け取った方からも話を聞けるようにしておきます。

例6 個別あての2通目(契約書の決まりを添えて、話す日を相談する)

○年○月○日
○号室 ○○様
夜の音について、お話のお願い

○月○日に、夜の音についてお知らせしました。その後も、夜○時ごろの○○の音のご相談が続いています。
お部屋の契約書では、大きな音でテレビやステレオを使ったり、ピアノなどを弾いたりしないことになっています(第○条)。
一度、お話をうかがえないでしょうか。○日から○日の間で、ご都合のよい日と時間を、お電話かLINEでお知らせください。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

「お部屋の契約書では、…」の文は、相談の音が契約書の決まりに当たるとき(大きな音のテレビや音楽、楽器など)だけ、手元の契約書に合わせて入れます。足音やドアの音のように、決まりに書かれていない音なら入れません。標準契約書と同じなら、括弧の中は「第8条第3項、別表第1の四」です。「違反」の言葉や、守られないときにどうするかは書きません。

例5と例6を紙で渡すときは、封筒に入れて、その部屋の郵便受けに届けます。ほかの入居者の目に触れるので、ドアや掲示板には貼りません。LINEでつながっている入居者には、個別あてで送れます。

相談した入居者へ、経過を知らせる(例7)

注意文を出しても、相談した方には、大家さんが動いたかどうかが分からないことがあります。出したら、短く知らせます。

例7 お知らせを出したことの報告

音のご相談の件で、○日に、入居者の皆さんへお知らせを出しました。お名前やお部屋番号など、どなたからのご相談か分かることは書いていません。
しばらく様子を見ていただき、まだ続くようなら、日にちと時間、どんな音だったかをメモして、またお知らせください。

個別あての手紙を出したときも、どの部屋に出したかは伝えません。相談した方と、手紙を受け取った方が、直接やり取りしないようにするためです。

騒音の注意文に書かないこと

  • 相談した方の名前や部屋番号と、「下の階の方から」のような言い方。誰が相談したのかが分かってしまいます。
  • 全員あての文に、音を出していると思われる部屋の番号。決めつけになります。
  • 「うるさいお部屋」「迷惑な方」のような呼び方や、「直ちにやめてください」のような強い言い方。
  • 「違反」「退去」「法的な手続き」の言葉。
  • 「○デシベル」のような音の大きさの数字。生活音には、基本的に、基準になる決まった数値がありません(大阪府のハンドブック)。

それでも音の相談が続くとき

相談を受けた日、出したお知らせや手紙の日付と渡し方、相談した方へ送った返事を、書き留めておきます。「兼業大家の夜間・勤務中の入居者対応」の「記録を残す」に挙げた項目も、そのまま使えます。

自主管理のアパートでは、音の相談を受けるのは大家さんです。江戸川区の「生活騒音」のページは、同じ建物の中の音には東京都の条例の基準が当てはまらないとして、上下の階の音は管理組合や管理会社に相談するよう案内しています。生活騒音を規制する法律はなく、市区町村によっては、条例で配慮を定めているところもあります(環境省のパンフレット)。

大家さんが間に入っても収まらないときは、法律の専門家への相談や、裁判所の民事調停という方法もあります(大阪府「生活騒音について」)。民事調停は、勝ち負けを決めずに、話し合いで合意して解決を図る手続きです。裁判所の説明では、騒音・悪臭などの近隣公害も例に挙がっています(裁判所「民事調停」)。

入居のときに、音のことを話しておく

ハンドブックの同じ調査では、管理会社が入居のときに説明していることのうち、最も多かったのが「集合住宅では近隣の音が聞こえやすいこと」でした(45.2%)。大家さんも、「入居のしおりのテンプレート」のメモの欄に書いて、入居のときに渡せます。

音の相談に、まず記録のお願いを返す(住まい番の例)

書き手が運営している住まい番では、入居者がLINEのメニューの「それ以外のご相談」から「騒音・近隣」を選ぶと、いつ、どこで、どんなことがあったかを尋ねます。様子が届くと、【住まい番AI】を頭に付けたお返事で、いつ、どのくらい続いたかの記録と、相手の方と直接やり取りしないことをお願いします。届いた様子は案件として残るので、大家さんは注意文を書くときに見返せます。

デモハイツの入居者がメニューから騒音・近隣を選んで音の様子を送ると、【住まい番AI】から、いつ・どのくらい続いたかの記録と、相手の方と直接やり取りしないことをお願いするお返事が届いたLINEの画面
音の相談に、いつ・どのくらい続いたかの記録を先にお願いしたところ(架空のデモハイツ)

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参考にした資料

リンク先は2026年10月20日に確かめました。

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