退去立会いのチェックシート(テンプレート)|自主管理の大家の段取り

・ 書き手: 住まい番 運営者

自主管理の大家さんが自分で退去に立ち会うときの、チェックシートです。表と例文は、このページを印刷するか、書き写して使ってください。例の物件は架空の「デモハイツ 201号室」です。

退去立会いのチェックシート(テンプレート)

立ち会いの日に、入居者と一緒に部屋を回りながら書き込む表です。

物件名・部屋デモハイツ 201号室
入居者の名前
入居日  年  月  日
退去日  年  月  日
立ち会いの日時  年  月  日  時
立ち会った人入居者(    ) 大家(    )
場所見る所入居のとき退去のとき気づいたこと・写真の番号
玄関ドア・鍵穴・下駄箱・郵便受け・床あり・なしあり・なし
台所流し台・コンロ・換気扇・戸棚・壁と床あり・なしあり・なし
浴室浴槽・シャワー・排水口・換気扇・ドアあり・なしあり・なし
洗面所・洗濯機置き場洗面台・洗濯機の排水口・床あり・なしあり・なし
トイレ便器・水洗タンク・床・壁あり・なしあり・なし
居室天井・壁・床・ドア・窓と網戸・押し入れあり・なしあり・なし
その他エアコン・スイッチとコンセント・照明・ベランダあり・なしあり・なし
項目確かめること記入欄
設備の動きお湯が出るか。エアコン・換気扇・インターホンが動くか
メーター電気・ガス・水道の数字(写真でもよい)
残っている物家具・家電・ゴミ・自転車など。あれば、どうするかを入居者と決める
鍵契約書に書いた本数と、返ってきた本数(スペアを含む)。郵便受けと宅配ボックスの鍵やカード  本のうち  本

「入居のとき」「退去のとき」の欄は、傷や汚れの「あり」か「なし」に○を付けます。「あり」なら、「気づいたこと・写真の番号」の欄に、場所と大きさを書きます(例: 北の壁に5cmほどの穴)。入居のときの欄は、入居の日の表や写真を見て写します。記録がなければ空けておきます。居室が2つ以上あるときは、余白に書き足してください。

項目は、国土交通省のガイドラインのページにある「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト(例)」をもとにしています。負担は立ち会いの日には決めないので、その欄はありません。署名は、後の章の退去確認書でもらいます。

駐輪場に置かれたままの自転車の確かめ方は、「放置自転車の張り紙の例文」にあります。

退去の連絡を受けたら、契約書で確かめること

入居者から退去の申し出を受けたら、まず契約書の解約の条項で、何日前までに知らせる決まりかを確かめます。日数は契約書ごとに違います。一例として、国の「賃貸住宅標準契約書」(平成30年3月版)では、入居者は少なくとも30日前に申し入れれば解約できます(11条1項)。

同じ標準契約書では、入居者は明け渡す日を前もって大家さんに知らせることになっています(14条2項)。退去日が決まったら、立ち会いの日も決めます。

立ち会いの前に、次のものを用意しておきます。

  • 契約書(解約の日数、特約、鍵の本数の欄)
  • 入居のときに作った表と写真
  • このチェックシート2部(1部は入居者に渡します)
  • 退去確認書2部(後の章のひな形)

入居のときに渡す「入居のしおりのテンプレート」にも、退去の連絡の期限を書く欄があります。日数は契約書と同じにしておきます。

契約の満了が近い入居者へ送る更新の案内は、「賃貸の更新案内の例文」にあります。

「退去のご案内」の例文(立ち会いの日程と鍵の返却)

退去日が決まったら、入居者に「退去のご案内」を渡します。紙にもLINEにも使える長さです。

デモハイツ 201号室 ○○様

退去のご案内

退去のご連絡をありがとうございます。退去日は○月○日(○)で承りました。お引っ越しまでに、次のことをお願いします。

1. 立ち会いの日時: 退去日の前後で、ご都合のよい日時を2つほど、○日までにご連絡ください。荷物を運び出した後のお部屋を、一緒に確かめます。
2. 電気・ガス・水道・インターネット: 各社に解約をお申し込みください。電気・ガス・水道は、立ち会いが終わるまで使えるようにしておいてください。
3. 鍵: 立ち会いのときに、スペアも含めてすべてお返しください。
4. 荷物とゴミ: すべて運び出してください。粗大ゴミは、市区町村の決まりに従って出してください。
5. 郵便: 郵便局に転居届をお出しください。届け出の日から1年間、郵便物を新しい住所へ転送してもらえます。
6. 転居先と振込先: 敷金をお返しするため、新しいご住所と振込先を紙に書いて、立ち会いのときにお渡しください。

ご不明な点は、下の電話番号へご連絡ください。

デモハイツ 大家 ○○(電話 ○○)

敷金を預かっていないときは、6の「敷金をお返しするため」と振込先を消します。転居先と振込先を紙でもらうのは、住所や口座をLINEやメールに残さないためです。転送の期間(1年間)は、日本郵便の「転居・転送サービス」のページにあります。

退去立会いの当日、大家さんがすること

立ち会いは、入居者が荷物を運び出した後に行います。家具が残っていると、床や壁の傷が見えにくいためです。

  1. 入居のときの写真と同じ位置と向きで、部屋ごとに写真を撮ります。撮った日が分かるように残します。
  2. 傷や汚れは入居者と一緒に見て、場所と大きさをチェックシートに書きます。
  3. 設備の動き、メーターの数字、残っている物を確かめます。残っている物は、扱いを入居者と決めて書きます。
  4. 鍵を受け取り、退去確認書に2人で署名します(次の章)。

費用の負担は、その場で決めない

立ち会いの日は、部屋の状態を一緒に確かめて記録するまでにします。費用をどちらが負担するかは、後日、書面で知らせます。

国土交通省のガイドラインのQ&A(Q14)は、立ち会いで確認のサインをした場合を取り上げています。確かめた内容にもよりますが、傷があることを確かめただけなら、費用の負担を認めたことにはならないと考えられる、と答えています。

国の参考資料(令和5年3月)には、令和4年に管理会社に聞いたアンケートの結果が載っています。立ち会いの場で直す所を伝え、精算書は後日送る、という答えが約6割でした。

鍵の返却と、退去確認書のひな形

鍵は、契約書に書いた本数と見比べて、スペアも含めてすべて受け取ります。国の標準契約書では、最初のページ(頭書)の「鍵」の欄に、鍵の番号と貸した本数を書きます。郵便受けや宅配ボックスの鍵とカードも確かめます。

鍵の受け取りだけを、「鍵受領書」という別の紙にすることもあります。次の退去確認書のように本数の欄があれば、1枚で済みます。確認書は2部作り、入居者と大家さんが1部ずつ持ちます。

退去確認書

物件・部屋: デモハイツ 201号室

1. 令和○年○月○日に、入居者と大家が立ち会い、別紙のチェックシートのとおり、部屋の状態を一緒に確かめました。
2. 大家は、次の鍵を受け取りました。玄関 ○本(スペアを含む)、郵便受け ○本、そのほか(  )
3. 残っている物と、その扱い: ____(なければ「なし」)
4. 敷金の返還額と内訳は、後日、大家が書面で知らせます。
5. 大家は、転居先の住所と振込先を別紙で受け取りました。

令和○年○月○日
入居者 ○○○○(署名)
大家 ○○○○(署名)

この確認書は、部屋の状態を一緒に確かめたことの記録です。費用の負担はここには書きません。敷金を預かっていないときは、4はすべて、5は「と振込先」を消します。

入居のときにも、同じ表で部屋を確かめておく

退去のときに「この傷は入居の前からあったのか」で迷わないよう、入居のときにも同じ表で部屋を確かめておきます。国土交通省のガイドラインは、入居のときと退去のときにチェックリストを作り、大家さんと入居者が立ち会って確かめることが必要だと考えられる、と書いています(第1章)。入居のときに写真も撮っておけば、傷がいつできたかがはっきりし、トラブルが減ることが期待できるとも書いています(Q&A の Q1)。

入居のときの記録は、「現況確認書」と呼ぶこともあります。次の入居者が決まったら、入居の日にこの表の「入居のとき」の欄を一緒に埋め、写真も撮っておきます。

立ち会いの後にすること(敷金の返還と内訳)

部屋が返ってきたら、預かっている敷金から未払いの家賃などを引き、残りを入居者に返します(民法622条の2)。国の標準契約書のひな形では、明け渡しがあったら遅れずに返し、差し引くときは内訳を入居者に示すことになっています(6条3項・4項)。ガイドラインのQ&A(Q17)も、敷金から部屋を元に戻す費用を差し引くなら、大家さんが具体的な根拠を示す必要があるとしています。

入居者が元に戻す義務を負うのは、入居中にできた傷みです。ふつうに住んでいてできた傷みと、年月による変化は除きます。入居者に責任のない理由でできた傷みも除きます(民法621条)。契約書に特約があれば、あわせて確かめます。どこまでを入居者の負担にするかの考え方は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にあります。内訳を書くときは、同じページにある「別表4 原状回復の精算明細等に関する様式(例)」も使えます。

退去の段取りがLINEに届く(住まい番の例)

書き手が運営している住まい番では、管理画面の「入居者」タブで入居者の行を押し、「退去」の欄に退去日を入れて[案内を送る]を押すと、入居者のLINEに「退去のご案内」が届きます。項目は、この記事の例文とほぼ同じです(退去の手続き)。

住まい番の管理画面。デモハイツ201号室の入居者の「退去」の欄に退去日を入れ、案内を送るボタンがある入居者のLINEの画面。大家さんからの退去のご案内に、退去日と、立ち会いの日時の連絡、電気・ガス・水道、片づけ、鍵の返却、転居先と振込先の伝え方が書いてある
住まい番の「退去」の欄と、入居者のLINEに届く退去のご案内(架空のデモハイツ)

大家さんのLINEには、退去の前後に、住まい番から次の3つが届きます。

  • 14日前の朝: 立ち会いの日時が決まったかの確認
  • 当日の朝: 立ち会いで確かめることの一覧
  • 3日後の朝: 敷金の精算の進め方

立ち会いで確かめる項目が、退去日の朝にLINEに届きます

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参考にした資料

リンク先は2026年9月28日に確かめました。

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