大家のLINE公式アカウント活用|入居者の連絡窓口を無料で作る手順
入居者との連絡に個人のLINEや携帯電話を使っていると、私生活と大家の仕事の境目があいまいになります。LINE公式アカウント(いわゆる公式LINE)なら、入居者専用の連絡窓口を無料で作れます。料金と仕様は、2026年9月25日にLINEヤフーの公式ページで確かめた内容です。
大家さんが入居者との連絡窓口にLINE公式アカウントを使う理由
個人のLINEでつながると、大家さんのプロフィールが入居者に見え、夜中の連絡も家族や友人とのトークに混ざって届きます。また、家族に対応を任せるのも難しくなります。
LINE公式アカウントなら、窓口を個人のLINEと分けられます。入居者は新しいアプリを入れずに、ふだんのLINEで友だち追加して、部屋番号と名前を送るだけです。家族を管理画面のメンバーに加えて、返事を任せることもできます(「設定」>「権限管理」。LINEヤフー「権限設定」マニュアル)。
ただし、LINEを使っていない入居者もいます。総務省の調査では、LINEを使っている人の割合は、60代で91.1%、70代で71.8%でした(総務省 情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)」12ページ、2025年6月公表)。電話や郵便でも連絡を受けられるようにしておくと安心です。
LINE公式アカウントの作り方
手順は、LINEヤフーの「LINE公式アカウントの作り方」に画面付きで載っています。パソコンでもスマホでも作れます。
- LINEビジネスIDを登録します(個人のLINEアカウントか、メールアドレスで登録できます)。
- 作成フォームに、アカウント名などを入力します。
- 管理画面(LINE Official Account Manager)にログインします。
2024年7月3日からは、作るときにSMSか通話での認証が必要になりました(LINEヤフー「詐欺行為に対する取り組み」)。個人でも、審査のない「未認証アカウント」ならすぐに使えます。LINEアプリの検索には出ませんが、入居者にはQRコードで知らせるので差し支えありません。
アカウント名は「○○ハイツ 入居者窓口」のように、入居者が見て分かる名前にします。管理用のアプリ「LINE公式アカウント」をスマホに入れると、外出先でも返事ができます。
最初にしておく2つの設定
1. チャットをオンにする
管理画面の「設定」>「応答設定」(管理アプリでは「設定」>「応答」)でチャットをオンにすると、入居者と1対1でやり取りできます(LINEヤフー「応答設定」マニュアル)。
2. あいさつメッセージを書く
あいさつメッセージは、入居者が友だち追加をした直後に届く文です。ここに、「部屋番号とお名前を送ってください」の一言を入れます。あわせて、「命に関わるときは先に119番・110番へ」の案内と、至急のときの電話番号も入れておきます。至急のときに使う連絡先の順番をどう決めるかは、「兼業大家の夜間・勤務中の入居者対応」で説明しています。
入居者に連絡用のLINEを友だち追加してもらう方法
友だち追加用のQRコードとURLは、管理画面の「ホーム」>「友だち追加ガイド」で作れます(LINEヤフー「友だち追加ガイド」マニュアル)。作ったQRコードは、鍵の受け渡しのときに知らせたり、共用部に掲示したりします。今お住まいの方には、QRコードを載せた案内の紙をポストに入れます。案内の文は短くて構いません。
今後のご連絡は、こちらのLINEでも受け付けます。友だち追加のあと、部屋番号とお名前を送ってください。夜間などは、お返事が翌朝以降になることがあります。火事・急病のときは、先に119番へお電話ください。LINEを使っていない方は、これまでどおりお電話でご連絡ください。
最初の1通のあとで、表示名を部屋番号付きに変える
未認証アカウントでは、大家さんのほうから1対1のチャットを始められません(認証済アカウントだけの機能です)。そのため、最初の1通は入居者に送ってもらいます。チャットの一覧には入居者のLINEの表示名が並ぶので、管理画面で「201 山田」のように変えておくと、誰からの連絡かがすぐ分かります。変えた名前は入居者には見えません(LINEヤフー「チャット」マニュアル)。
LINE公式アカウントの通数の数え方と、無料で使える範囲
LINE公式アカウントの料金プランは3つです。機能の差はなく、違うのは月額と、月に送れる通数です。
| LINE公式アカウントのプラン | 月額(税別) | 月に送れる通数 | 超えた分 |
|---|---|---|---|
| コミュニケーション | 0円 | 200通 | 送れません |
| ライト | 5,000円 | 5,000通 | 送れません |
| スタンダード | 15,000円 | 30,000通 | 1通3円以下(税別) |
出典: LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの料金プラン」
通数は、送った回数に、受け取った友だちの人数をかけて数えます。吹き出しは、1回に3つまで入れられます。3つ入れても、1人に1回送れば1通です。1対1のチャット、応答メッセージ、あいさつメッセージは数えません。数えるのは、管理画面の「メッセージ配信」などで友だちにまとめて送るお知らせです(全員あてでも、絞り込んだ相手あてでも、通数に入ります)。
- 友だち10人に月2回送ると、20通です。
- 友だち50人に月4回送ると200通で、無料の上限ちょうどです。
数えるのは戸数ではなく人数です。1つの部屋でご夫婦がそれぞれ友だち追加していれば、その部屋の分は1回で2通になります。
無料のコミュニケーションプランで200通を使い切ると、その月はお知らせを送れなくなります(1対1のチャットは続けられます)。LINEのライトプラン(月5,000円・税別)に上げれば、その月から送れる通数が増えます。
退去した方も、ブロックしない限り友だちに残るので、全員あてのお知らせはその方にも届き、通数にも入ります。部屋番号や不在の日時など、住んでいない人に知られたくないことは、お知らせに書かないほうが安全です。
自分で返事をする手間と、夜間にできること・できないこと
LINE公式アカウントでも、返事を書くのは大家さん自身です。勤務中や夜中に届いた連絡には、すぐには返事ができません。
チャットの「応答時間」を決め、時間外の応答方法を「応答メッセージ」にすると、時間外の連絡に決まった文を返せます。例えば次のような文です。
ご連絡を受け付けました。お返事は翌朝以降になります。水が止まらないなど至急のときは、○○へお電話ください。火事・急病のときは、先に119番へお電話ください。ガスのにおいがするときは、火を使わずに窓を開け、ガス会社へお電話ください。ガス会社の連絡先は、検針票やガスメーターに書いてあります。
応答メッセージで返事を変えられるのは、登録したキーワードとそっくり同じ文が届いたときだけです。「台所の水が止まりません」のような連絡には、至急の内容でも、ほかの連絡と同じ文が返ります(LINEヤフー「応答メッセージ」マニュアル)。なお、応答時間内も、応答方法を「手動チャット+応答メッセージ」にすれば、大家さんが返事を書く前に、決まった文を返せます。
気をつけたいのは通知です。マニュアルによると、応答時間外はチャットの通知が来ません。時間外も管理アプリで通知を受けたいときは、「ユーザー設定」>「通知」>「通知を受け取る項目」で「チャット-応答時間外の新着メッセージ」をオンにします(LINEヤフー「通知」マニュアル)。通知が来ても、至急かどうかを見分けて返事を書くのは大家さんです。
無料の範囲では、6か月より前のやり取りは見られなくなります。やり取りを最長5年残すには、チャットProオプション(月3,000円・税別)の契約が必要です(LINEヤフー「チャットProオプション」)。登録しておいた質問と答えをもとにAIが返事をする「AIチャットボット(β)」を使うにも、このオプションが要ります(LINEヤフー「ヘルプセンター」)。無料の範囲で使うなら、修理の日付や約束したことは、台帳に写しておくと安心です。
公式アカウントを自分で作らない方法(住まい番の例)
書き手が運営している住まい番を使う大家さんは、みな同じLINE公式アカウント「住まい番|SUMAIBAN」を窓口にします。入居者からの連絡は、その入居者の大家さんにだけ届き、ほかの大家さんからは見えません。大家さんは、住まい番を友だち追加して、表示されるボタンを押し、お名前と物件名を送れば始められます(LINEと連携する)。入居者も同じアカウントを友だち追加し、招待リンクから部屋番号とお名前を送ります(入居者を招待する)。

窓口の名前を自分の屋号にしたいとき、今の公式アカウントの友だちをそのまま使いたいとき(住まい番に移る場合は、入居者に登録し直してもらう必要があります)、最初の返事をAIにさせたくないときは、自分で公式アカウントを持つほうが合っています。sumaiban.com の「LINEで試してみる」から、登録しなくてもAIの返事を試せます。
参考にした資料
リンク先は2026年9月25日に確かめました。
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの料金プラン」
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 追加メッセージ料金改定のお知らせ」2026年9月1日再掲
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの作り方」2025年4月2日更新
- LINEヤフー for Business「詐欺行為に対する取り組み」2024年8月20日更新
- LINEヤフー for Business「応答設定」マニュアル 2026年3月25日更新
- LINEヤフー for Business「応答メッセージ」マニュアル 2025年8月27日更新
- LINEヤフー for Business「通知」マニュアル 2023年12月6日更新
- LINEヤフー for Business「チャット」マニュアル 2026年8月18日更新
- LINEヤフー for Business「友だち追加ガイド」マニュアル 2026年4月27日更新
- LINEヤフー for Business「権限設定」マニュアル 2026年4月24日更新
- LINEヤフー for Business「チャットProオプション」
- LINEヤフー ヘルプセンター「AIチャットボット(β)は、どのLINE公式アカウントでも使えますか?」
- 総務省 情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)」2025年6月27日公表(12ページ)
書き手
住まい番 運営者
入居者のLINEの連絡にAIが一次対応するサービス「住まい番」を、個人で運営しています。自主管理の大家さんが、夜中や仕事中の連絡に一人で追われずに済むように作りました。